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ヤシガニ

2020-09-27 07:46

1.ヤシガニって?
ヤシガニ

ヤシガニは、体長40cm、重さ4kg、足を広げると1mほどにもなる、最大級のヤドカリの仲間です。

ヤドカリの仲間といっても、その硬い体表や大きさから、成体のヤシガニは殻に入ることはなく、殻に入るのは体長1cm以下の幼生の個体だけです。

完全に陸上で生活し、湿度の高い岩の割れ目や掘った穴を住処としています。

昼間は天敵や直射日光から身を守るために住処に隠れ、雨や霧の夜にエサを求めて活動します。

ヤシガニの寿命は、調査によると推定約50年と言われており、かなりの長生きです。

ヤシガニ

7月8月の繁殖ピークを迎えると、メスはお腹に卵を抱えたまま数か月間を過ごし、10月か11月の満潮の夜に砂浜の波打ち際で既に孵化した「ゾエア」と呼ばれる幼生を海中に放出します。

ゾエアは28日ほど天敵などの身の危険に晒されながら海中を漂い、捕食されずに生き残った個体が海底に降りて普通のヤドカリと同様貝殻を背負い、成長しながら海岸を目指します。

名前に「ヤシ」が付いていますが、特別ヤシの実を好んで食べるということはありません。

雑食で、果実や落ち葉などの植物性のものから、ウミガメの卵や動物の死骸などの動物性のものまで、何でも食べます。

沖縄の一部地域には、ヤシガニを料理して食べる風習があります。

しかし、ヤシガニはその雑食性から、毒や病原菌を含んだものですらエサとして食べることがあり、有害な成分を体内に蓄積している可能性が高いため、素人がヤシガニを捕獲して食べるのは大変危険です。

そもそも、宮古島では2014年4月にヤシガニ保護条例を定めているので、基本的に一般人による捕獲は規制されています。

ヤシガニ

条例の内容は、保護区内や指定サイズ以下の個体の捕獲の禁止、および産卵・繁殖期間である6月1日から8月31日まで宮古島全域での捕獲を禁止する、といったものが主です。

ヤシガニは、日本国内では宮古島のほか、沖縄本島や八重山諸島、先島諸島に生息していますが、食用のための乱獲や土地開発による生息地の破壊などによって年々その個数は減少にあり、現在、国からレッドデータブック絶滅危惧II類に指定されています。

そんな希少種となったヤシガニですが、宮古島では、郷土料理店で食べられるヤシガニ料理や、夜に活動するヤシガニの探索ツアーなど、今でも名物として観光客を楽しませてくれる存在です。

 

2.どこにいるの?

宮古島に来たのなら、ヤシガニの姿を一目見てみたいものですよね!

ヤシガニを見つけやすいタイミングとしては、繁殖シーズンである10月か11月の満潮時の夜10時以降がベストです。

この時期になると、普段陸上で生活しているヤシガニは、孵化した子どもを海に放つために、活動時間帯である夜に砂浜に移動するようになります。

そのため、砂浜はヤシガニ目撃スポットとしてよく挙げられています。

また、エサであるアダンの実(パイナップルに似た実)がなっている木を探してみるのもおすすめです。

ここからは、ヤシガニが目撃されたスポットを紹介します。

チェックして、ヤシガニ探索に挑戦してみましょう!

 

〇ホテルブリーズベイ

シギラリゾートにあるこのホテルの自然豊かな敷地内には、様々な生き物が生息しています。

運が良ければ、ヤシガニだけではなく、オオコウモリやオカガニ、オカヤドカリといった南国の珍しい生き物たちと出会える可能性があります。

住所:宮古島市上野宮国784-1

TEL:0980-74-7206

 

〇保良泉ビーチ
保良泉ビーチ

宮古島の南に位置しているビーチで、天然の湧き水プールと近くにある鍾乳洞が有名です。

その保良泉ビーチの辺りには、ヤシガニのエサであるアダンの実が多くなっているので、遭遇スポットの1つとして知られています。

住所:宮古島市城辺保良1139-1

 

〇砂山ビーチ
砂山ビーチ

特徴的な岩場があり、きれいな海岸写真がとれる場所として有名です。

駐車場からビーチまでの道中や、周辺の雑木林でヤシガニと遭遇しやすい、と言われています。

住所:宮古島市字荷川取705

 

〇長崎浜
長崎浜

来間島にある小さなビーチで、星の観測スポットとしても知られています。

遊泳目的の観光客はほとんど訪れないため、静かで落ち着いており、ヤシガニが頻繁にみられるスポットとなっています。

住所:宮古島市下地来間

 

3.ツアー紹介

夜行性であるヤシガニと出会うためには、日が落ちきった真っ暗な夜に探す必要があります。

けれども、島の外から来た観光客にとって、慣れない夜道は危険な上、ヤシガニが現れる場所やタイミングを見極めるのは難しいですよね。

そんな時は、島で開催されるガイド付きのヤシガニ探索ツアーに参加しましょう。

島の地形とヤシガニの生態を知り尽くしたガイドと一緒なら、高確率でヤシガニと遭遇することができます。

さらに、ツアーではヤシガニ以外の様々な夜行性の生物と出会えたり、美しい夜空の元で星空ウォッチングすることもできます。

ヤシガニと出会いたい方、夜の宮古島を探検したい方は、是非チェックしてみて下さい!

 

〇ナイトツアー ヤシガニ探し&星空ウォッチング

<おすすめポイント>

・天気が良ければ宮古島の星空も満喫できる!

・ホテル送迎付きで便利!

<詳細>

開始時間: 19:15~20:00頃

所要時間:約2時間

料金:大人 3,000円、3~11才 1,500円(予約時クレジットカード決済)

予約:要(2日前までに) 

催行人数:2名~

TEL:050-3312-4144

サイト:ナイトツアー アーカイブ – 宮古旅倶楽部 | 宮古島の観光・オプショナルツアーはみやたびにおまかせ!宮古旅倶楽部 | 宮古島の観光・オプショナルツアーはみやたびにおまかせ! (miyatabi.com)

 

〇ナイトツアー がじゅまる

<おすすめポイント>

・お子様は2歳から参加OK!

・5名以上の参加で団体割引あり!

<詳細>

所要時間:約2時間 

料金:一人3,000円

予約:当日、直前予約可

TEL:080-6492-6896

サイト:沖縄ナイトツアー(沖縄星空ツアー)がじゅまる (peraichi.com)

 

4.どこで食べられる?

県外から訪れる観光客の中には、ヤシガニを食べることに驚きを覚える方もいるかもしれません。

沖縄の一部地域では、ヤシガニは一般的に食べられる食材として親しまれており、沖縄料理店などでヤシガニ料理を食べることができます。

宮古島にも、ヤシガニを食べられる海鮮料理店がいくつかあります。

宮古島に訪れる際は、ヤシガニがどんな味がするのか、どんな食感なのか、この機会に体験してみてはいかがでしょうか。

ここでは、ヤシガニ料理店をご紹介いたします。

 

〇割烹 魚宮

平良港の近くにあり、冷凍の食材は取り扱わず、地元の食材にこだわるお店です。

ヤシガニをはじめ、イセエビやノコギリガザミを使った料理が評判です。

店主のお父さんがヤシガニ獲りの名人で、捕獲してからすぐに食べてしまうのではなく、1ヶ月以上をかけて果物やたんぱく質を与え、より上質な身になるよう飼育してから料理されているので、ここでしか味わえないヤシガニを堪能することができます。

ヤシガニ料理は5,000円〜15,000円のご予算です。

予約可能です。

<詳細>

営業時間:昼11:30~14:00 夜16:30~22:00、不定休

住所:宮古島市平良西仲宗根3-1 

TEL:0980-72-6595 

サイト:魚宮 (ウオミヤ) – 宮古島市/沖縄料理 [食べログ] (tabelog.com)

 

〇割烹居酒屋すえひろ

すぐ目の前の荷川取港から仕入れる新鮮な魚介を、お寿司や沖縄郷土料理で振舞ってくれます。

ヤシガニ料理は3,000円〜です。

予約可能です。

<詳細>

営業時間:17:00〜22:00、不定休

住所:宮古島市平良字荷川取133-1 

TEL:0980-72-3099 

サイト:すえひろ – 宮古島市/居酒屋 [食べログ] (tabelog.com)

 

〇海鮮悟空

パイナガマビーチが目前に広がる海鮮居酒屋で、なんとフクロウがお迎えしてくれます。

昼は宮古島の海を眺めながら、夜はお酒を飲みながら食事を堪能!

ヤシガニは6000円、沖縄の高級食材であるマングローブガザミが8000円で食べることができます。

予約可能です。

<詳細>

営業時間:昼11:30~15:00 夜17:15~22:30、不定休

住所:宮古島市平良下里246 

TEL:0980-72-0897

サイト;海鮮 悟空 (かいせん ごくう) – 宮古島市/沖縄料理 [食べログ] (tabelog.com)