現地コラム
COLUMN
下地島
宮古諸島の一つである下地島は、伊良部島と隣り合わせにある小さな島です。
伊良部大橋の開通によって、下地島へも足を運びやすくなった最近は
着々と訪れる人が増えてきています。
さて、下地島にはどんな魅力があるのでしょうか?
目次
1.地理
沖縄県宮古島市に属する島です。人口は95人(2019年1月1日現在)で、集落はありません。
幅40m~100m長さ約3.5kmの水路をへだてて伊良部島と隣接しています。
面積は、非常に小さく9.68㎢しかありません。
そして、2015年、伊良部大橋開通により伊良部島を経由して宮古島とつながりました。
伊良部大橋は無料で利用できる橋としては日本最長です。
サンゴ礁の隆起によりできた島で、琉球石灰岩に覆われています。起伏のない島で
最大標高はたったの21.6m。島の西側は海食崖が続き、北側は下地空港の滑走路となっ
ています。面積の98%は公有地であり、島の大半が、訓練用空港として作られた下地
島空港です。この空港の北端から海へと伸びる通称「17エンド」は絶景フォトスポッ
トとしても有名です。
下地島周辺の海域は、「ケーブダイビング」のメッカとしても有名です。
2.交通
下地島には、「みやこ下地空港」という空港があります。
元々は、国内でのパイロット養成のために作られた訓練飛行場でしたが、
民営化されて現在に至ります。2019年に新ターミナルが開業したことによって
定期便が就航し、非常に便利になりました。
<国内線>
ジェットスター航空 下地島空港 ⇔ 成田空港 1日1往復
下地島空港 ⇔ 関西国際空港 1日1往復
スカイマーク航空 下地島空港 ⇔ 羽田空港 1日1往復
下地島空港 ⇔ 神戸空港 1日1往復
下地島空港 ⇔ 那覇空港 1日2往復
<国際線>
香港エクスプレス航空が 下地島空港 ⇔ 香港国際空港 1日1往復
ほかに、宮古島空港・平良港からバスが利用できます。
定期航路の就航はありません。
3.歴史
近世初頭に伊良部村の住人が、八重山で牡牛・牝牛を2匹購入してきて放牧したと
いい、以後は牛、馬の牧場がありました。1771年には高さ約40mもの津波が島を襲い
、放牧地や畑がすべて水没し、馬や牛、羊などが溺死しました。西岸にはその際に海
から打ち上げられた巨大な岩石が転がっています。これが後でご紹介する大帯岩です。
宮古諸島の歴史を語る上でついて回るのが、本サイトでも何度も出ている「明和の大津波」です。
この津波の調査と共に、下地島では「キドマリ村跡」調査というのが行われています。
下地島と伊良部島には、キドマリ村という集落に関わる「ヨナタマ伝承」が残されていて、
キドマリ村の実態解明のために、調査が行われたのです。
キドマリ村というのは、今は既に廃村となっているのですが、村があったとされる跡は
残されていました。この村跡を調査することで、当時の津波状況や下地島の歴史を解明しようと試みたのです。
実は、公式に下地島に集落があったという情報がほとんど残されていないのです。1940年代に入って
始めてキドマリ村という名称が現れます。この村がいつ頃存在し、いつ廃村したのか明確なことはわかりません。
ただ、そこに集落が存在し、大きな津波によってなんらかの影響を受けたということが
近年ようやくわかってきたのです。
4.観光スポット
なお、島のビーチには、ライフセーバーはおりません。安全管理はすべて自己責任で
す。お気を付けください。
◉下地島空港
空港ターミナルにはボーディングブリッジは設置されていないため、航空機への
乗降は、徒歩移動です。構内へは自由に立ち入りができ、ショップやカフェが人
気です。
「17END」(ワンセブンエンド)と呼ばれる滑走路17の進入端は絶景で知られて
います。SUP、カヤック、ダイビングなどのスポットとして人気です。車は近く
までは入れません。空港ターミナルから徒歩かレンタサイクルにて滑走路端に行
きます。平成31年3月23日から、17エンド周辺の道路は全面車両通行止めになっています。
車での乗り入れはできませんので、気を付けましょう。
反対側の「35END」側から飛行機がおりてくるのは北風限定なので、冬が見学シ
ーズンになります。
下地島空港は2012年JALが、2015年にはANAが、訓練事業から撤退したため、今
後の身の振り方が心配されていましたが、2019年より「みやこ下地島空港ターミ
ナル」へと名前を新たにし、ジェットスタージャパンが成田空港と関西国際空港
への定期便を、香港エクスプレス航空が香港への定期便を就航させることになり
ました。
空港は地方空港でありながら、大型機が発着できる3,000m級の本格空港です。
2015年までは、主に飛行機の発着訓練に使われていました。
◉通り池
人魚の伝説が残る神秘的な池です。北側海岸近くに大小2つの円形の池がありま
す。海側(南側)の池が直径75m、水深45m、陸側(北側)の池が直径55m、水
深25mです。2つの池が並んでいるように見えますが、水面下でつながっており
、さらに海ともつながっています。もとは、海岸にあった鍾乳洞が、波により浸
食を受け、天井が崩落したものです。深さによって水温が急激に変化しており、
塩分の変化も大きいため大きく色彩が変化します。また、この性質のため多様な
魚類が生活しています。水温の境界線「サーモクライン」により水の色の変化が
楽しめるため海外のダイバーにも知られた人気スポットです。県の天然記念物で
す。パワースポットとしても知られています。
通り池から遊歩道をさらに奥へ進むと『鍋底池』があります。古くから参拝され
る対象でした。
◉帯大岩
1771年(明和8年)の八重山地震かその前におきた津波によって打ち上げられた
約2万トンの巨岩です。大きさは直径59.9m、高さ12.5mと、まさに巨岩です。
現地の言葉でオコスクビジー(大きな帯をした岩)やヌーマミージー(馬の番をする岩)
と呼ばれています。古くから「ご神体」として崇められ、大漁祈願や家内安全
の祈願がされています。大岩の前には赤い鳥居が立っています。
◉中ノ島ビーチ
外周道路沿いにある中ノ島ビーチ(別名カヤッファビーチ)は、リーフに囲まれ
た、穏やかな入江です。透明度も高く、さまざまな種類のサンゴや熱帯魚などを
見ることができます。ダイビングやシュノーケリングの名所です。トイレ・シャ
ワーなどはありません。駐車場は近くの空き地を使います。
シュノーケルなどしたいのなら、レンタルの店などありませんので器材を持参す
る必要があります。ライフセーバーはおりません。
道端にはパイナップルに似たアダンという果実が実っています。でも、とって食べ
ないように!食べたら後悔するそうですよ。
○グルメ
◉レストランさしば【下地島コーラルホテル内】
朝はモーニング、昼は「伊良部そば」などの島ごはん、夜は食事や居酒屋メニュ
ーなど。テラスでバ-ベキューや宮古牛のすきやきなどの島グルメも楽しめます。
営業時間:モーニング:07:00〜08:30、ランチ:11:30〜14:00、ディナー:18:00〜22:30 LO22:00
定休日:木曜日
◉レストラン龍
“ホテルてぃだの郷”に隣接する食堂です。「伊良部そば」は、ハーブを使用して
いるので夏の暑い日でも食欲をそそります。
営業時間:月~日、祝日、祝前日: 12:00~13:3018:00~20:00
定休日:なし
〇宿泊施設
◉ホテルてぃだの郷
下地空港から車で約3分のところに位置する、下地島の宿泊施設
「ホテルてぃだの郷」は全室オーシャンビューで、下地島の変わらぬ風景を
ゆっくりと堪能することができます。
特別和洋室が2室、洋室4室、和室が6室の合計12室のホテルとなっていて、
大浴場などはありませんが、下地島でのゆっくりとした時間を味わうには
うってつけの場所となります。
5.まとめ
下地島の夕日はお勧めです。ぜひ夕日の時間に訪れることをお勧めします。夜の満
天の星も催行です。暗い空にかがやく満天の星々。島のどこからでも最高の星空を見
ることができます。昼の青い海だけでなく、星空も堪能してください。